中松です。最近話題の寄生獣ですが、
ただのグロマン○ではないです。
かなり深いです。

手

 

 

 

 

 

 

 

最近映画化されるなどして話題になっている
作品に「寄生獣(きせいじゅう)」というものがあります。

寄生虫ではなく寄生獣というのが
ポイントの一つです。

 

元は20年ぐらいまえに
月刊アフターヌーンという少しマニアックな
漫画雑誌で連載されていた漫画です。

ドラゴンボールやワンピースなどが象徴的ですが、
いわゆる王道的なものではなく、
一風変わった漫画を中心に掲載していた雑誌です。

 

少しネタばれしますが
この漫画は一見するとただの
グロマンガです。

パラサイトと呼ばれる謎の生命体が
人間の脳を乗っ取り、その後は
他の人間を捕食するなど
過激な描写シーンが目立ちます。

いまでいうところの
進撃の巨人的に捕食シーンが多いです。

 

絵がかなり個性的で漫画というよりは
人物画的な描き方をしているのもあり
殺戮シーンなどエグさに拍車をかけます。

漫画で連載されていた時期は
私は小学生だったこともあり
絵が怖すぎてまったくもって読めませんでした。

 

ところが最近になって映画をはじめとして
メディアミックス化されてきたのを
キッカケにキンドルで寄生獣カラー版を全巻購入しました。

で、読んでみたところ…

「あれ?ただのグロマンガではない…
それどころかかなり深いというか
メッセージ性が強いぞ、この漫画。」

という印象を持ちました。

なんというか伏線の張り巡らせ方が
漫画というよりは小説のような巧妙さです。

 

例えば

漫画の中で人間の脳を乗っ取るのは
寄生虫(パラサイト)ですが、

タイトル名は「寄生獣」です。

なぜ寄生虫ではなく
寄生獣にしているのだろうか?
タイトルは寄生虫ではないのか?

こうした細かいところも
読み進めていく上で
なぜこうなのか?が分かってきます。

 

寄生虫ではなく寄生獣にしている点や
そもそも、この寄生獣は○○を指している点など。

人間にとって有害な寄生獣と思っていた寄生虫(パラサイト)達だが、
じつは○○こそ地球にとっての寄生獣であると
物語後半では明らかになっていくのですが、

この展開の仕方は「見事」としか言いようがありません。

○○はもう察しがついているでしょうが
気になる場合は読んでみるとよいでしょう。

 

全10巻で完結の漫画ですが、
これは漫画を描いていきながら
ストーリーを繋いでいったのではなく、

初めから結末がある程度ありきで、
1話から完結に向けて
書き進められてきた印象です。

人気が出たらかといって無理に連載を引っ張って
後半に作風が崩れたり、訳分からなくなる漫画も
たまに見受けられますが、

そういったことが一切なく
10巻すべてに内容が凝縮されているので
かなりの読み応えがあります。

 

ストーリテリング的な要素もあり、
ドラマツルギー的な要素もありと。

一見するとただのグロマンガの背景には、
じつは高度な技法や構想の作りこみなどが
随所に見受けられ、かなりの秀作でした。

グロマンガという先入観や
絵がとっつきにくいなどもあり
読まず嫌いの人が多いかもしれませんが、

ぜひ漫画をある程度読まれている人ほど
読んでみる価値がある漫画といえます。

 

最後ら辺には
ミギーが可愛く思えてきます。

私も2周目突入する予定です。