先日、新幹線に乗ったときの話です。
その日は車内も空いており、窓側席を確保できたので、
「ふ~」という感じでかなりくつろいでいました。
お茶と弁当もバッチリです。
ヤンマガとヤンジャンをWで買い込み
「お前の家か?」なみにくつろいでいました。
ところがそんな私のくつろぎタイムに
突如として悲劇が訪れたのであります。
突然、身の毛もよだつような異臭がして
一瞬にしてくつろぎタイムが不愉快タイムに変わりました。
「うわっ…なんだこの臭い…きつい…」
あまりの異臭に誰がか変なものでも置いていったのか?と
けっこうまじで不安にもなったのですが、
どうやらそういう訳ではないようです。
あたりは依然として
人もほとんどおらず半分貸切状態です。
「何だ?臭いの原因は何だ?」
もしかしたら買って読んでいるヤンマガか?と思い
臭いかいでみましたが変哲もない紙の臭いでした。
「まさか、ヤンジャンのほうか…?」
念のためヤンジャンもかいでみましたが
やはり変哲もない紙の臭いでした。
そうこうしているうちに臭いもおさまってきたので
気のせいだったのかな?と思いまた漫画を読み続けました。
ヤンジャンを読み進めていると「キングダム」の
大変良い場面に差し掛かりました。
総軍指令と思われていた「昌平君」が
じつは武官顔負けの武の持ち主であったのが
発覚した回です。
頭の回転も速く、腕っぷしも強い。
しかも良く見るとイケメン。
なんて美味しいキャラなんだ…。
そう思いつつ「キングダム」好きとしては
なかなかたまらん回だったのですが、
そんな矢先にまた異臭がしました。
「くっさ!まじなんだ?!」
と、「昌平君」が描かれたページをはねのけた
私の現実世界の前に写ったのは
汗をかきながら小走りで車内を移動する
巨漢のおっさんでした。
一瞬、キングダム内に出てくる巨漢キャラクター
「ランカイ」にも見えなくなかったのですが、
すぐに現実世界と漫画の世界がごっちゃになっている
危険な状態だと察知して頭を切り替えました。
おっさんは小走りで颯爽と消えていきましたが、
おっさんが去った後には
信じられないぐらいの「残り香」がまい散っていました。
キングダムの人気女性剣士キャラクター
「羌カイ」の秘儀「巫舞」なみに
トーントーンタン
トーントーンタン
という感じで
「残り香」が車内にまき散らされていったのです。
…呼吸が続かない?!
多分、いや確信をもって私、中松断言いたします。
おそらく彼はワキガと思われます。
ここ10年でかいでしまった
ワキガの中では間違いなくベスト1位です。
キングオブキング。
まさにキングダムです。
それほどまでに芳醇かつ強烈な芳香です。
しかも小走りのおっさんは
どういうわけか約1時間おきに
車内を小走りで移動するので
たまったものではありません。
最初はトイレだと思ったのですが、
1時間に1回ではさすがに頻尿すぎです。
もはや尿漏れです。
ダルビッシュばりの投法で
「ハルンケア」でも投げつけてやろうか思いましたが
もしかしたら頻尿ではなく、喫煙かもしれません。
その場合は「ハルンケア」ではなく
「二コレット」を投げつけてやる必要があります。
「この車両にはトイレもあるし
喫煙エリアもある。一体どっちなんだ…?」
そうこうしているとまた臭いが私の鼻を襲います。
「くさっ!」
1時間に一回おっさんが小走りで通過するたびに、
私のヒットポイントを確実に削っていくのです。
それにしてもおっさんの小走りって
なんであんなにむかつくのでしょうか。
撒き散らしてるの分かって小走りしているのか、
それともトイレなのか、タバコなのか知りませんが、
とにかく全部くさいのです。
まさか赤の他人に
スメールハラスメントをくらうことになろうとは
一体だれが予測できたでしょうか。
岡山県を通過している際に窓際から
「ベネッセのビル」が見えるのですが、
あまりの臭いに私の思考回路は
停止寸前にまで追い込まれていたので思わず
ベネッセがなぜか
「ヴァネッサ」と見えたぐらいです。
そりゃあ、個人情報だだ漏れです。
結局、小走りおっさんの猛威はその後も続き、
私のくつろぎタイムは
修行僧顔負けの「苦行」となったのであります。
私はこの事件を脳裏に刻み忘れないために、
「キングダムヴァネッサ事変」と命名することにしました。
同じ悲劇が二度と起こりませんように…。
平日最終の新幹線に気をつけろ。