中松です。社員がどんどん辞める会社の話をします。
それでも回っているからすごいです。

 

 

 

 

 

 

 

友人で会社員をしている人がいます。

勤続かれこれ6年ほどで、
平均年齢もさほど高くない会社ということもあり
社内でのポジションは中堅的な位置づけとのことです。

ちょうど上と下に挟まれているので
良くも悪くも社内を見渡せる視点も
持っているといえます。

 

で、その人いわく
「うちの会社は離職率がハンパなく高い」
とのことです。

 

正確な離職率データを数字で聞いていないので
確定はできないのですが、

わずか数年で社員の半数以上は
辞めているようなので確かに高そうです。

この話を聞いていて私は2つのことを感じました。

 

まず一つ目は「お金がもったいないな」という点です。

人材を採用するには費用がかかります。

求人広告を打ち、面接をして採用に至るまでに
会社の規模にもよりますが、それ相応の費用がかかっているわけです。

 

さらに中途採用なら即戦力も期待できますが、
新卒や未経験者採用の場合だと
育成する必要があるのでこれにも資金がかかります。

使えるようになるまでは、使えないのに
給料も支払う必要があるので
とにかくお金がかかるわけです。

やっと使えるように1人前になった
貴重な人材がどんどん辞めていってしまうのは
なんとももったいないことだなと感じました。

 

そして2つ目に感じたことは
「社員が辞めまくっているのに回っているのはすごい」という点です。

社員が辞めてしまうと当然その仕事を
他の誰かがしないといけません。

扱う仕事のレベルが高ければ高いほど
人材に求められるレベルも高くなります。

しかし、そうそうレベルの高い人なんて
採用できないものです。

とはいえ、並みの人をいれて教育して
レベルアップにするにしても
それ相応の期間が必要なわけです。

 

ですが、会社が潰れずに回っているということは?

そう、そんなにレベルの高い人ではなくても、

もっと言ってしまうと能力普通、あるいは普通以下の人が
社員できても会社が回せる仕組みを作ってあるという点です。

 

だから、どんどん辞めていっても、
どんどん新しい人を採ればいいだけなので
回っていくわけです。

これさらっと書いていますが
けっこう難しいことです。

優秀な人ではなく、普通の人、普通以下の人たちの集団でも
利益を上げられる仕組みを作っているわけですから。

ちなみに友人いわく、会社の悪口ばかりで
どうやら辞めたいみたいです(笑)

辞める人が多いということは
やはりそういう体質の会社ということでしょうし、

雇われているほうからすると
嫌なのも当然かもしれません。

 

しかし、以上2つの観点から考えると
会社としては回っている以上、
こういう会社もアリといえばアリなわけです。

もしかしたら会社側も計算してやっているかもですね。

というのも、40~50代で使えないのに
給料はいっちょ前に払わないといけない
社員を増やさないようにしているとかです。

20~30代で体力があり、エネルギッシュで
比較的、低賃金でもよく働いてくれる社員が
常にいるようにしたほうが会社としてはありがたいわけです。

 

理想をいえば社員からみても、会社からみても
双方にとって良い関係の会社が一番いいのかもしれませんが、

新規に起業した会社の9割は
10年も経てば倒産しているなんて
データもあるぐらいですし、

実際問題としてはなかなか難しいところです。

同じ会社を見るにしても、
社員という立場から見るのと
経営者という立場から見るのとでは、

まったくもって違うものに
見えるのも大変興味深いです。