中松です。下請けは本当に被害者なのか?
下請けとか孫請けといった言葉を
聞いたことは一度ぐらいあると思います。
これは文字通り
発注元となる会社があり(だいたいは大手)
そこから依頼された仕事を
受注して受けている会社を指します。
分かりやすい例で言えば
大きいビルとかを建設する際に
大元となる建設会社がトップに君臨し、
その下に、実際に建設を施工する
下請けの会社が一社 ないし 何社かあったりするわけです。
大きい規模だと、
その下にさらに孫請け(下請けの下請け)といった感じで
構成されているわけです。
ビル建設とかに限らず
あらゆる業界において
この構造は「普通」に起こっています。
例えば、私の会社ぐらいの規模でも、
お客さんから依頼のあったHPなどの作成は
自社で作成ではなく、
HP作成スキルのあるフリーのランサーなどに
作成を発注したりしているぐらいですから。
親請けがあり、下請けがあり、
さらには孫請けといった
段階構造はどの業界にもあることなわけです。
さて、前置きはこのぐらいにしておいて
ここからが今回の話の中心になります。
「下請けは本当に被害者なのか?」
不況の際などは、真っ先にあおりを喰らうのは
下請け系の企業といった声をよく聞きます。
・元請けの会社から発注を減らされたとか
・コスト削減を要求されたとか(過剰な値切り)
・さらには取引停止を通知されたなど
確かに、こうしたことをされた側は
死活問題ですし、たまったものではありません。
また、イジメ構造にも似ており、
コレだけ見ると下請けは
親請けに言いように使われている被害者のようにも
見えなくはないです。
しかし、実際のところはどうなのかというと
私個人の意見としては
「特定の元受けに依存しすぎている
下請け会社はリスクヘッジができていない
ただのバカです」
例えば、あなたがAという会社を
仮に経営していたとします。
年商1億円とします。
その会社の売上の80%(8000万円)が
ある特定の会社からの仕事だとします。
年間8000万円もの発注をしてくれている
会社なわけなので、優良な大口の顧客といえます。
コレ自体は何も悪くないです。むしろ良いこと。
ただ、危険なのはこの売上だけに
依存して偏ってしまっている点です。
当然、この会社から取引を切られたら
年間8000万円の売り上げがまるまる消えます。
つまり、年商1億円というのは見せかけで
実際の実力は2000万円(1億円-8000万円)レベルの
会社に過ぎないという点です。
ですので、
いつ切られてもおかしくないという危機感の元に、
他の顧客からの売上を増やしていくのが
早急に求められているわけです。
他の何社もの会社から細かい売上を積み上げていき、
仮に、年商2億円にできたとすると、
先ほどの大口顧客の割合は
2億円のうち8000万円になるので
40%に減らせているわけです。(80%⇒40%)
こうすることで万が一
大口の顧客から切られた場合でも
リスクヘッジができているので
そうカンタンには潰れないといえます。
※上記の数字は分かりやすいので
キリの良い数値を使ったまでです。
というわけで、
「下請けは本当に被害者なのか?」
というと、
被害者でもなんでもないといえます。
賢い下請け会社は
特定の発注会社に依存はしませんし、
また、場合によっては
下請けのほうからアンタのところの
仕事は請けませんよ、ぐらいのことを言えるものです。
これは副業レベルでネットビジネスをやっている方や
そこから独立して中小規模レベルで会社をやられている方まで
幅広く当てはまる話でもあります。
アホな被害者意識に陥るのではなく、
付き合う相手、取引する相手を選べるぐらいの
「力」を身につけたものが勝つ世界といえるかもしれません。